【外国人管理にも役立つ?!】グローバルビジネス環境では、求められるのは「語学力」より「専門性」?!

2021/12/19 06:12

グローバルビジネスに参入する際、まず意識するのは「語学力」というのが日本人の大半の方の答えかと思います。それは確かに重要なスキルですが、絶対ではありません。「え?!語学力じゃないの?!」と驚かれる方も多いかと思いますが、その謎をご説明します。

グローバルで求められる能力とは?!

欧米各国やアジア各国は、一時期ほどコロナに対して怯えず、社会活動を再開しています。この2年近くで新型コロナウィルスの多くの変異種が解明されてきたことと、ワクチン開発や投薬開発が進んでおり、それらを踏まえて感染対策や病床対策などのリスクをマネジメントするという方向へ舵を切っています。

こうなってくると、自国内の経済活動の見直しやグローバル市場や拠点への施策がより活発化してきますが、それに伴ってグローバル市場へ進出する企業や仕事やチャンスを求めて日本を飛び出す人材も増えてくるでしょう。

その際に気になるのは、「語学力」。その国の言葉はもちろん、英語も必要だろうと心配になるはずです。しかし、本当に語学力が全てでしょうか?

確かに語学力はその国で勝負していくためには確かに必要なスキルの一つですが、実はそれ以上に重要な能力があるのです。そして、それがあると必ずしも語学力がなくても海外でのビジネス展開や海外でのキャリアをスタートさせることは可能なのです。

実は、欧米企業や中国、韓国などのアジア企業が重視するのは、自社のビジネスを発展させる専門分野や専門スキルなのです。自社ビジネス発展のために必要な能力や専門性なら、語学の不足などは通訳を雇って解決してしまいます。通訳一人分の売上を見込めるビジネスなら、それも含めて人件費として捉えて採用します。

特に技術面やブランディングで劣るアジア新興国発の企業はその傾向が強く、技術の不足やブランド力の不足を人材の技術力や専門性、ブランド力(大学名や企業名)で補おうとするのです。しかも、それは特定の国だけでなく、全方位的に世界中から探します。ある国から採用できなければ、他の国から採用するということで補って来るのです。

つまり、世界中から才能を集め、その専門性を発揮させ、会社の技術力、ブランド力向上に役立てます。だから、大事なのは、自身の強みや専門分野がその企業への貢献度が高いかどうかとなります。語学力があっても、専門性がなければ、それに代わる人材は自国にもたくさんいますから、大したメリットにはならないのです。

企業も同様です。その企業のウリが「ある技術」なら、それを魅力発信し、海外の顧客やパートナーを惹きつければ良いのです。欲しい相手方が通訳を自前で用意します。ただ、通訳はこちらが用意する方がいいので、ご注意ください。

まず、これがグローバルに求められる能力ということを知ってもらえればと思います。これから見ると、ゼネラリストよりスペシャリスト(またはスペシャルな分野の技術や人材を持つ企業)が求められるのがグローバル市場ということが分かります。「能ある鷹は爪を隠さず」ですね。

日本に来る外国人も専門性を追求している

翻って、日本に来る外国籍人材も、母国や日本以外の他国で働いた経験を持っている人材であれば、専門性を磨いてきたはずです。それはワーカー層からマネジメント層に至るまで同様で、特定の技能やスキルや知識、ネットワークや情報網を持っています。彼らもそれを活かしたいと思って日本に来ます。

そこで問題なのは、日本のマネジメント層がそれを理解できているかどうかになります。現在、日本のマネジメント層は、まだまだ外国籍人材を扱い慣れていません。自身も外国で働いた経験もない方が多いので、「外国人」として働く悩みや葛藤も知りません。だから、同じ「日本人のように」して扱ってしまいます。

そして、日本独自の人事制度である年功序列型の人事制度を無条件に受け入れるように進め、それを理解させるように務めてしまいます。昨今、これに問題があるとなり、まだ大手企業が中心ですが、ジョブ型人事制度の導入を進める企業が増えて来ました。

重要なのは、外国籍人材は元々母国や日本以外の他国では、ジョブ型人事制度の下、その専門性を評価され、待遇を得て来ました。ジョブ型人事制度に慣れていると、給与を上げたいと思うと、ジョブを変えるしかないことが分かります。ジョブ型人事制度では、熟練による評価向上による給与上昇率は、約20%から30%ほどしかありません。

ですので、ジョブ(職種)を変えることで、給与の向上を目指します。社内で出世(=ジョブ変更)ができなければ、社外に転職(=ジョブ変更)を求めることになるのです。実は、これが外国籍人材が転職が多い、または考えると思われている要因でもあります。

ただ、これを知らないと、単純に「外国人は転職多い」となってしまいます。しかしこれは彼らの背景を知っていれば防ぐことができるのです。つまり、知らないマネジメント層にも問題があると言えます。私はこう言った案件に関わる機会も多いので、様々な対策を講じて未然防止に務めます。

大事なのは、この背景を知った上で、社内で対策を個別に打って行くことで、場合により根本的な変更を必要とする場合もありますが、多くの課題も解決できます。人事制度を変えるのか、マネジメント担当者やメンター担当者を代えるのか、そもそも異文化適性を持った人材はいるのか?など、今いる日本人の人材や管理体制も見つめ直すことが、経営層の決断の成功の成否に影響すると言えるでしょう。

【運営会社】株式会社セレッジ

代表菅野の素顔
菅野 直純
76年大阪生まれ。04年から外国人採用事業をスタートし16年以上外国人採用分野に携わる。2010年から14年まで中国最大(世界4位)の人材総合サービス企業中智上海グループに数少ない日本人としてJoin。12年に日企人事倶楽部設立。帰国後、外国人エンジニア人材採用/管理事業を展開。